
レンチウイルスのパッケージングにおいて力価が低いのはよくある問題で、プラスミド設計、細胞状態、トランスフェクション条件、収集および保存の各段階が影響します。
1. プラスミド・ベクター関連
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ベクター構築の問題:LTR、Ψ パッケージングシグナル、WPRE、cPPT などの必須エレメントが完全に含まれているか。不足や変異があると力価が大きく低下します。
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プラスミドの純度:エンドトキシンや短い DNA 断片の混入は細胞の健康を損ない、産生効率を下げます。エンドトキシン除去型の精製を推奨。
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プラスミドの比率:トランスファーベクター : パッケージングベクター : エンベロープベクターの比が不適切だと産生量が下がります。
2. 細胞の状態
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細胞株の選択:293T が一般的ですが、研究室ごとの株で産生能に差があります。
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細胞密度:トランスフェクション時に希薄すぎても過密すぎても力価低下。最適は 70–80% コンフルエンス。
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細胞の健康:汚染、継代回数の多さ、コンディション不良はすぐに産生効率に影響。
3. トランスフェクション条件
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トランスフェクション試薬と方法:PEI や Lipofectamine などの効果は条件によって大きく変わる。N/P 比や DNA:試薬比の最適化が必要。
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DNA 総量:多すぎれば細胞死、少なすぎればウイルス産生不足。
4. 培養条件
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培地:血清の有無や、ウイルス産生専用培地の使用有無。
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回収タイミング:通常 48 時間と 72 時間で回収。早すぎても遅すぎても力価低下。
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回収方法:回収後のフィルター処理や凍結融解の繰り返しで力価が落ちる。
5. 濃縮と保存
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超遠心や限外濾過:濃縮しないと力価が低いまま、特にレンチウイルスは AAV ほど産生量が高くない。
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保存条件:−20℃保存や凍結融解の繰り返しは急速に力価を落とす。−80℃保存が基本。
6. 力価測定方法
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qPCR vs 機能的力価:qPCR で得られるゲノム力価は、実際の感染力価より高く出る傾向。
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検定細胞株:標的細胞のレンチウイルス感受性によって結果が大きく変わる。
改善のヒント
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プラスミド構築を再確認し、高純度・エンドトキシンフリーを使用。
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健康な 293T 細胞を使い、最適密度でトランスフェクション。
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トランスフェクション条件を最適化(DNA:試薬比など)。
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48 h・72 h の上清を両方回収し、組み合わせて使用。
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超遠心または限外濾過で濃縮。
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力価検定方法を統一し、「見かけ上の低値」を回避。
PackGeneについて
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