
AAV(adeno-associated virus)のゲノムは、製造やパッケージングの過程で 完全長の一本鎖DNAが常に正しくカプシドに収まるとは限らず、しばしば不完全なゲノム(truncated genomes, partial genomes)が生じます。主な原因は以下の通りです:
1. ゲノムサイズの制限
-
AAV はおよそ 4.7 kb 前後のDNAしか安定的にパッケージングできません。
-
過大なベクター設計や遺伝子カセットが大きすぎると、途中で切れた断片や不完全な配列しか収まらず、不完全ゲノムの割合が増えます。
2. ITR(Inverted Terminal Repeat)の構造的問題
-
AAV の両末端にある ITR はヘアピン構造をとりやすく、パッケージングや複製の際に二次構造が干渉し、DNAのコピーや封入が途中で中断されることがあります。
-
ITR の変異、損傷、あるいはベクター設計に伴う非対称性も不完全ゲノムの原因になります。
3. 複製やパッケージングの不完全性
-
Rep 蛋白質によるゲノム複製がエラーを起こした場合や、カプシドにDNAが収容される途中で切断されると、部分的なゲノムしか入らないことがあります。
-
これは細胞環境やベクター生産条件(例:プロモーター強度、Rep/Cap 比率)によって影響を受けます。
4. 二本鎖形成やリコンビネーション異常
-
AAV は単鎖DNAとしてカプシドに収まりますが、場合によっては二本鎖やハイブリッド構造が形成され、それが不完全な状態でパッケージされることがあります。
-
複数のゲノム断片がリコンビネーションして、モザイク状のゲノム(heterogeneous genomes)が生じる場合もあります。
5. 製造プロセスや宿主細胞由来の影響
-
生産宿主細胞(通常は HEK293 など)の核内環境やDNA修復酵素の働きが、ゲノム複製・切断に影響を与えます。
-
また、DNA抽出や精製過程での損傷も、不完全ゲノムとして検出される原因になり得ます。
AAV ゲノム不完全性の主因は:
-
サイズ制限超過
-
ITR 構造の干渉
-
複製/パッケージング過程のエラー
-
二本鎖形成やリコンビネーション異常
-
製造条件や細胞内要因
これらが重なって、完全長のゲノムを持たない AAV 粒子が一定割合で生じることになります。
PackGeneについて
PackGene Biotech is a world-leading CRO and CDMO, excelling in AAV vectors, mRNA, plasmid DNA, and lentiviral vector solutions. Our comprehensive offerings span from vector design and construction to AAV, lentivirus, and mRNA services. With a sharp focus on early-stage drug discovery, preclinical development, and cell and gene therapy trials, we deliver cost-effective, dependable, and scalable production solutions. Leveraging our groundbreaking π-alpha 293 AAV high-yield platform, we amplify AAV production by up to 10-fold, yielding up to 1e+17vg per batch to meet diverse commercial and clinical project needs. Moreover, our tailored mRNA and LNP products and services cater to every stage of drug and vaccine development, from research to GMP production, providing a seamless, end-to-end solution.
