Q:空ベクターのレンチウイルス感染後、導入が確認できないのはなぜですか?
A:空ベクターのレンチウイルス感染後に「導入されていない」と見えるケースは、実験上比較的よく見られます。多くの場合、ウイルス自体の不具合ではなく、ベクター特性や実験条件に起因します。主な原因は以下の通りです。
1. 空ベクターには可視化マーカーが含まれていない
空ベクターは通常、蛍光タンパク質や機能遺伝子を含まないため、顕微鏡観察のみでは感染の有無を確認できない場合があります。
推奨対応:
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抗生物質選択(例:Puromycin)による感染確認
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ゲノム qPCR によるウイルス導入の検証
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蛍光発現レンチウイルスを陽性対照として併用
2. ウイルスタイター不足または活性低下
ウイルスの凍結融解の繰り返し、長期保存、輸送条件などにより感染効率が低下する可能性があります。
推奨対応:
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MOI を段階的に増加(2~5 倍)
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凍結融解回数を最小限に抑え、新鮮なアリコートを使用
3. 細胞状態が感染に適していない
レンチウイルス感染効率は細胞状態に大きく依存します。
注意点:
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細胞密度が高すぎる/低すぎる
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対数増殖期でない
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復活直後や継代回数が多い細胞
推奨条件:
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感染時の細胞コンフルエンシー:30~50%
4. Polybrene の未添加または使用条件不適合
Polybrene を使用しない、または濃度が適切でない場合、感染効率が低下する可能性があります。
推奨条件:
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一般的な使用濃度:5–8 μg/mL
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感受性の高い細胞では濃度検討を推奨
5. 細胞種自体が感染困難
初代細胞、幹細胞、懸濁系細胞などはレンチウイルス感染効率が低い傾向があります。
推奨対応:
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MOI の増加
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遠心感染(Spinfection)の導入
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感染時間の延長
6. 使用プロモーターの活性が低い
CMV など一部のプロモーターは、特定の細胞種でサイレンシングされる場合があります。
推奨対応:
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細胞種に応じて EF1α、PGK、SFFV などのプロモーターを選択
まとめ:
空ベクターで導入効果が確認できない場合でも、必ずしも感染失敗を意味するわけではありません。適切な検証方法を併用することを推奨します。
ご不明な点がございましたら、技術サポートまでお問い合わせください。
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