2026年7月29日 —
米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は、Capricor Therapeutics社が開発中のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に伴う心筋症を対象とした細胞療法「deramiocel」の有効性について、反対の投票を行いました。
Capricor社が再提出した生物学的増殖承認申請(BLA)に焦点を当てた会合の後、専門家パネルは心筋症におけるderamiocelの有効性に対し、反対9票・賛成3票で反対票を投じました。諮問委員会の勧告に法的拘束力はありませんが、FDAは同療法の審査にあたりこの投票結果を考慮します。FDAによる最終決定は8月22日までに下される見通しです。
Deramiocelは、遺体ドナー由来の心筋球由来細胞(cardiosphere-derived cells)で構成されており、3か月ごとに静脈内投与されます。この療法は、DMD患者の心筋および骨格筋の機能を回復または維持することを目的としていますが、Capricor社の今回の申請は特にDMDに伴う心筋症に特化したものとなっています。
諮問委員会の議論は、第III相HOPE-3試験のデータ、ならびに早期のHOPE-2試験およびそのオープンラベル継続投与試験のデータに集中しました。Capricor社とFDAの間では、HOPE-3試験が主要評価項目を達成したかどうかについて見解が分かれており、議論の多くは統計解析計画やデータアンブラインド(キー開示)前に行われた変更の妥当性に向けられました。
心筋症の評価項目については、心臓のポンプ機能を測定する指標である左室駆出率(LVEF)が審査の中心となりました。Capricor社はデータアンブラインドの直前に、解析方法を「LVEFの変化量」から「LVEFの順位変換後の変化量(ranked change)」へと変更しました。しかし、同社が推奨する解析方法を用いた場合でも、委員会に提示されたLVEFの結果のp値は0.09であり、統計学的に有意ではありませんでした。
複数の委員は、このデータを「脆弱(fragile)」であると表現しました。これは、特定の統計手法の使用や特定患者の除外・含めるか否かによって結論が大きく左右されるように見えたことを意味します。また一部の専門家は、deramiocel投与群において左心室容積の増大を示唆するデータに対しても懸念を示しました。
委員会はDMDに伴う心筋症に対するderamiocelの有効性についてのみ投票を求められていたものの、多くの患者支援者、臨床医、一般公聴者は、骨格筋機能や患者の自立に対する本療法の潜在的な効果を強調しました。Capricor社もまた、より広い疾患背景を考慮するようパネルに訴えました。
FDAとCapricor社は、上肢機能評価(PUL 2.0)データの解釈に関しても対立しました。Capricor社は、ベースラインからの変化率を用いることでHOPE-3試験が主要な骨格筋評価項目を満たしたと主張しましたが、FDAは当初定義されていたベースラインからの平均変化量による解析では統計学的に有意ではないと主張し続けました。
委員会のメンバーは、上肢データがさらなる調査に値する可能性を認めたものの、今回の申請において有効性を支持するには証拠が不十分であると概ね結論付けました。複数の委員はCapricor社に対し、今後の研究で上肢機能の研究を継続するよう促しました。
諮問委員会による不承認の投票は、deramiocelの薬事承認に向けた道のりに不透明感をもたらしています。FDAがそれでも本療法を承認することを選択する可能性は残されているものの、統計的堅牢性、評価項目の解釈、および心筋症特有の有効性をめぐるパネルの懸念は、同局の最終決定に重く響く可能性が高いと考えられます。
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