
AAV 三プラスミド包装システム(一般的な構成)
AAV(アデノ随伴ウイルス)のベクター製造では、典型的に以下の 3種類のプラスミド が用いられます。
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トランスファーベクタープラスミド(AAV transfer vector)
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目的遺伝子の発現カセット(プロモーター–遺伝子–ターミネーター)を含み、両端に AAV 特有の 逆向末端反復配列(ITR) が存在します。
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ITR は野生型 AAV に由来する唯一のシスエレメントで、ウイルスゲノムの複製とパッケージングに必須です。
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Rep/Cap プラスミド
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Rep 遺伝子:複製およびパッケージングに必要な酵素(Rep78/68/52/40)をコード。
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Cap 遺伝子:カプシドタンパク質 VP1/VP2/VP3 をコードし、ウイルスのセロタイプ(例:AAV2、AAV8、AAV9 など)を決定します。セロタイプによって組織指向性や導入効率が異なります。
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ヘルパープラスミド(Helper plasmid)
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アデノウイルス由来の補助因子(E2A、E4、VA RNA など)を供給し、外来のアデノウイルス感染がなくても AAV が効率的に複製・包装されるようにします。
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設計上の特徴と安全性
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AAV は非病原性かつ低免疫原性のベクターとされ、体内での遺伝子治療研究に広く利用されています。
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トランスファーベクターには ITR のみが保持され、AAV タンパク質遺伝子は含まれないため、導入された細胞は再びウイルスを産生することはありません。
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Rep/Cap と Helper プラスミドが供給する機能は トランス作用因子であり、それ自体がパッケージングされることはありません。
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機能が三種類のプラスミドに分散しているため、複製型 AAV の再出現リスクは大幅に低減されています。
基本的な原理の流れ
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生産細胞(一般的に HEK293 系細胞)へ共トランスフェクション:3種類のプラスミドを導入。
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Rep/Cap と補助因子 が細胞内で働き、ITR を持つ遺伝子を複製しカプシド内に封入。
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AAV 粒子の形成 → 培養上清に分泌。
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応用:粒子を用いて標的細胞や動物へ遺伝子導入(BSL-2 以上のバイオセーフティ基準が必要)。
システムのバリエーション
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三プラスミドシステム:最も一般的(Transfer + Rep/Cap + Helper)。
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二プラスミドシステム:Rep/Cap と Helper を統合し、操作が簡便だが安全性はやや低下。
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改良型:異なるセロタイプや組織特異性、高収率を目的に最適化されたバージョン。
PackGeneについて
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