
AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターは、遺伝子治療で最もよく使われるウイルスベクターの一つであり、多くの利点と同時にいくつかの欠点・制約もあります。
AAVベクターの利点
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高い安全性
ヒトに病気を引き起こさないウイルスであり、病原性がほぼありません。 -
広い組織特異性(トロピズム)
異なるセロタイプ(例:AAV2, AAV8, AAV9など)を選ぶことで、筋肉・肝臓・網膜・中枢神経系など、特定の組織を狙えます。 -
持続的な遺伝子発現
多くの場合、宿主ゲノムに組み込まれず、エピソームとして長期間安定して存在します。 -
免疫原性が比較的低い
他のベクター(例:アデノウイルス)に比べて、炎症や強い免疫応答が少ない。 -
臨床での実績
Luxturna や Zolgensma など、すでに複数のAAVベクター製剤がFDA/EMA承認済み。
AAVベクターの欠点
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パッケージング容量が小さい
最大で約 4.7 kb しか遺伝子を搭載できず、大きな遺伝子の治療には不向き。 -
全身投与に大量が必要
血液中や広範囲の組織に遺伝子を届けるには非常に高用量が必要で、副作用のリスクも増える。 -
免疫応答の問題
多くの人は自然感染でAAVに対する抗体をすでに持っており、ベクターが無効化されることがある。再投与も困難。 -
ゲノム組み込みの効率が低い
基本的にエピソームとして存在するため、細胞分裂が盛んな組織では徐々に効果が薄れる可能性がある。
まとめ
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利点:安全、長期発現、組織特異性、臨床実績
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欠点:容量制限、再投与困難、コストと免疫問題
PackGeneについて
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