AAVとレンチウイルスのウイルスタイター単位とは?vg/mL、GC/mL、TU/mLを詳しく解説

Aug 13 , 2026
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AV(アデノ随伴ウイルス)やレンチウイルスを用いた実験では、「ウイルスタイター」は頻繁に使用される重要な指標です。実験プロトコルや製品情報には、vg/mL、GC/mL、VP/mL、TU/mL、IU/mL など、さまざまな単位が記載されています。

これらはいずれも「ウイルスタイター」に関係する単位ですが、それぞれが示している対象は異なります

特にAAVとレンチウイルスでは、一般的に使用されるタイター単位が異なります。AAVではベクターゲノム量を示す指標がよく用いられる一方、レンチウイルスでは細胞への感染・導入能力を反映する機能的タイターが重視されます。これらの違いを理解しておくことは、ウイルス量の計算や異なるロットの比較、実験結果の評価において重要です。

AAVでよく使用されるタイター単位

AAV(アデノ随伴ウイルス)では、まずベクターゲノムのタイターが重要な指標となります。実験では、vg/mLGC/mL がよく使用されます。

vg/mL:AAVで最も一般的なタイター単位

vg/mLは vector genomes per milliliter の略で、1 mLあたりのベクターゲノム数を表します。

例えば、AAVのタイターが 1 × 10¹³ vg/mL

と表示されている場合、1 mLのAAV製剤中に約1 × 10¹³個のベクターゲノムが検出されることを意味します。

vg/mLは、qPCRやddPCRなどを用いて測定されることが一般的です。AAVのパッケージング、精製、動物実験など、さまざまな場面で使用されています。

ただし、vg/mLはサンプル中のベクターゲノム量を示す指標であり、すべてのAAV粒子が完全な感染・発現能力を持つことを意味するものではありません。そのため、AAVの品質を総合的に評価する場合には、ゲノムタイターだけでなく、機能活性、ゲノム完全性、空カプシド率、純度なども確認する必要があります。

GC/mL:ゲノムコピー数

GC/mLは genome copies per milliliter の略で、1 mLあたりのゲノムコピー数を表します。

AAVサンプル中のゲノム量を示すために使用され、qPCRやddPCRなどによって測定できます。

実際の研究やウイルス製造では、vg/mLとGC/mLは近い概念を表す単位として使用されることがあります。ただし、研究機関やメーカーによって検出方法、標準物質、計算方法などが異なる場合があります。

そのため、異なる施設やメーカーから提供されたAAVを比較する場合は、単位だけを見るのではなく、どのような測定方法が使用されているかも確認することが重要です。

VP/mL:ウイルス粒子数

VP/mLは vector particles per milliliter を表し、1 mLあたりのウイルス粒子数を示します。

vg/mLとは異なり、こちらはウイルス粒子そのものの数に着目した指標です。

AAV製剤には、すべてのウイルス粒子が完全な目的遺伝子を含んでいるとは限りません。例えば、完全なゲノムを含む粒子だけでなく、ゲノムが不完全な粒子や空カプシド(empty capsid)が含まれる場合があります。

そのため、

VP/mLとvg/mLは同じものではありません。

また、両者の間には、すべてのAAVに適用できる固定的な換算比率があるわけではありません。

TU/mL:AAVの機能的評価にも使用される単位

TU/mLは transducing units per milliliter の略で、1 mLあたりの形質導入単位を表します。

vg/mLとは異なり、TU/mLはウイルスが実際に細胞へ遺伝子を導入する能力、つまり機能的な形質導入能に着目した指標です。

AAVでは、研究用途においてvg/mLやGC/mLがより一般的ですが、特定の細胞系や評価系では機能的タイターを測定することもあります。

そのため、

AAVのゲノムタイターが高い=必ずしも遺伝子発現が高い

とは限りません。

ゲノムの完全性、カプシドの品質、細胞への導入効率などによって、最終的な遺伝子発現が変化する可能性があります。

レンチウイルスでよく使用されるタイター単位

AAVと比較すると、レンチウイルス(LV)では細胞への感染・形質導入能力を反映する機能的タイターが重視されます。そのため、TU/mLやIU/mL がよく使用されます。

TU/mL:レンチウイルスでよく使用される機能的タイター

TU/mLは transducing units per milliliter の略で、1 mLあたりの形質導入単位を表します。

例えば、 1 × 10⁸ TU/mL

と表示されている場合、特定の実験条件および測定系において、1 mLのウイルス製剤が約1 × 10⁸個の形質導入単位を持つことを示します。

レンチウイルスのTU/mLは、通常、機能的な形質導入試験によって測定されます。例えば、蛍光レポーター遺伝子、薬剤耐性マーカーなどを利用して、ウイルスによる細胞への形質導入を評価します。

そのため、TU/mLは実際の細胞感染・形質導入実験における機能と比較的直接的な関係があります。

IU/mL:感染単位

IU/mLは infectious units per milliliter の略で、1 mLあたりの感染単位を表します。

これも機能的なタイターの一つで、ウイルスが細胞に感染する能力を持つ単位数を示します。

レンチウイルス関連の資料では、TU/mLとIU/mLの両方が使用される場合があります。ただし、具体的な定義や測定方法は実験系によって異なる可能性があるため、異なるメーカーや施設の測定結果を単位だけで単純に比較することはできません。

vp/mL:レンチウイルス粒子数

レンチウイルスでも、vp/mL(viral particles per milliliter) を用いて1 mLあたりのウイルス粒子数を表すことがあります。

ただし、ウイルス粒子数と機能的タイターは同じものではありません。

レンチウイルス製剤中に多数のウイルス粒子が存在していても、すべての粒子が同じ感染・形質導入能力を持っているとは限りません。

したがって、

vp/mL ≠ TU/mL

と考える必要があります。

細胞への感染・形質導入実験に使用する場合は、単純なウイルス粒子数だけでなく、機能的タイターを確認することが重要です。

p24測定とレンチウイルスのタイターの関係

レンチウイルスの評価では、p24 という指標を目にすることもあります。

p24はレンチウイルス粒子に含まれる主要なカプシドタンパク質の一つで、p24 ELISAなどを用いて測定できます。

p24測定はサンプル中のウイルス粒子に関連する量を評価するために利用できますが、p24の値をそのまま機能的タイター(TU/mL)とみなすことはできません

つまり、

p24量が多い=TU/mLが必ず高い

とは限りません。

実際の形質導入能力を評価する場合には、機能的タイターなどの結果と併せて判断する必要があります。

AAVとレンチウイルスのタイターを直接比較できない理由

AAVとレンチウイルスのタイターを比較する際に、特に注意したいのがこの点です。

例えば、

AAV:1 × 10¹³ vg/mL

レンチウイルス:1 × 10⁸ TU/mL

と表示されていたとしても、AAVのタイターがレンチウイルスより100,000倍高いと単純に判断することはできません。

これは、vg/mLとTU/mLが異なる対象を測定しているためです

簡単に整理すると、

  • AAVのvg/mL:どれくらいのベクターゲノムが存在するか
  • レンチウイルスのTU/mL:どれくらいの機能的な形質導入単位が存在するか

という違いがあります。

そのため、異なるウイルスのタイターを比較するときは、数字だけでなく、単位の定義と測定方法を確認することが重要です。

AAVとレンチウイルスの主なタイター単位

ウイルス 単位 意味 主な用途
AAV vg/mL 1 mLあたりのベクターゲノム数 AAVゲノムタイターの測定
AAV GC/mL 1 mLあたりのゲノムコピー数 qPCR/ddPCRによる測定
AAV VP/mL 1 mLあたりのウイルス粒子数 ウイルス粒子関連の評価
AAV TU/mL 1 mLあたりの形質導入単位 機能的評価
LV TU/mL 1 mLあたりの形質導入単位 レンチウイルスの機能的タイター
LV IU/mL 1 mLあたりの感染単位 機能的タイター
LV vp/mL 1 mLあたりのウイルス粒子数 ウイルス粒子関連の評価
LV p24 p24カプシドタンパク質量 ウイルス粒子関連の評価

ウイルス実験ではどのタイターを確認すればよい?

AAVを使用する場合は、一般的に vg/mLまたはGC/mL が重要な指標になります。例えば、動物実験で投与量を設定する際には、ウイルス製剤のゲノムタイターを基に投与量を計算することがよくあります。

一方、レンチウイルスを細胞への形質導入に使用する場合は、TU/mLまたはIU/mL などの機能的タイターが重要になります。これらは、実際の細胞への形質導入能力を評価する際に役立ちます。

ただし、ウイルスの品質をタイターだけで判断することはできません。AAVやレンチウイルスの実際の性能には、ウイルスの純度、完全性、機能活性、細胞の種類や状態、実験条件など、さまざまな要因が関係します。

まとめ

AAVとレンチウイルスは、どちらも研究で広く使用されているウイルスベクターですが、一般的なタイター単位と評価の考え方には違いがあります。

AAVで主に使用される単位:

  • vg/mL:ベクターゲノムタイター
  • GC/mL:ゲノムコピー数
  • VP/mL:ウイルス粒子数
  • TU/mL:機能的な形質導入単位

レンチウイルスで主に使用される単位:

  • TU/mL:形質導入単位
  • IU/mL:感染単位
  • vp/mL:ウイルス粒子数
  • p24:ウイルス粒子関連指標

そのため、AAVやレンチウイルスを選択したり、異なるロットのウイルスを比較したりする際には、単純にタイターの数値を見るのではなく、その単位が何を示しているのか、どの方法で測定されたのか、そして自分の実験目的に適した指標なのかを確認することが大切です。

PackGeneについて

PackGene Biotech is a world-leading CRO and CDMO, excelling in AAV vectors, mRNA, plasmid DNA, and lentiviral vector solutions. Our comprehensive offerings span from vector design and construction to AAV, lentivirus, and mRNA services. With a sharp focus on early-stage drug discovery, preclinical development, and cell and gene therapy trials, we deliver cost-effective, dependable, and scalable production solutions. Leveraging our groundbreaking π-alpha 293 AAV high-yield platform, we amplify AAV production by up to 10-fold, yielding up to 1e+17vg per batch to meet diverse commercial and clinical project needs. Moreover, our tailored mRNA and LNP products and services cater to every stage of drug and vaccine development, from research to GMP production, providing a seamless, end-to-end solution.

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