IAT-S2は肝臓微小環境を調節し、乳がん肝転移巣の増殖抑制を目指す。現在、IND申請を支える試験の準備が進められている。
米国インディアナ州インディアナポリス、2026年10月5日 — 遺伝子治療分野の開発・製造受託機関(CDMO)であるGenezenとバイオテクノロジー企業InterAct Therapeuticsは本日、乳がん肝転移(BCLM)を対象とする治療法の開発を共同で推進するため、戦略的製造提携を締結したと発表した。InterAct Therapeuticsの主力開発プログラムIAT-S2は、アデノ随伴ウイルス8型(AAV8)を用いた治療薬候補であり、肝細胞を標的として肝臓微小環境を調節し、転移巣の増殖を抑制することを目指している。
転移性疾患は進行固形がん患者の死亡に大きく関与している一方、がん細胞と転移微小環境の複雑な相互作用に特化した治療法は限られている。IAT-S2は、テキサス大学サウスウェスタン医療センターのIsaac Chan博士の研究チームによる研究を基盤としている。同チームは、乳がんの転移細胞が正常な肝細胞とどのように相互作用し、肝臓内で定着・増殖するのかを研究してきた。その後、Chan博士はInterAct Therapeuticsを共同設立し、このプログラムの開発を進めている。
がん細胞のみを標的とするアプローチとは異なり、InterAct Therapeuticsは転移微小環境の生物学的特性を変化させることで、転移巣の増殖を抑え、消失させることを目指している。肝転移は転移性乳がん患者に多くみられ、同社のニュースリリースによると、診断後の生存期間中央値はわずか2~3年である。同社は、腫瘍と肝臓微小環境の双方に作用し、疾患の進行を変えることを目指す単回投与の遺伝子治療薬を開発している。現時点で、この治療領域を対象として特別に承認された治療法はない。
InterAct TherapeuticsがIAT-S2の送達ベクターとしてAAV8を選択した理由の一つは、肝細胞を効率的に標的化できる点にある。これは、肝臓を標的臓器とする転移性疾患の治療戦略を支えるものとなる。前臨床試験では、同社は5種類のマウス肝転移モデルにおいて、肝転移巣がほぼ消失したと報告している。
米国食品医薬品局(FDA)とのINTERACT協議で前向きなフィードバックを得た後、InterAct TherapeuticsはIND申請を支える試験の準備を進めている。Genezenはインディアナポリスのウイルスベクター専門チームを通じて製造面を支援する。支援内容には、プラットフォーム化されたAAVプロセス開発、スケールアップ、GMP製造の知見が含まれ、毒性試験および第I相臨床試験用の製造を支える。両社は、IAT-S2のIND申請と初のヒト臨床試験への移行を目指す。
InterAct Therapeuticsの最高科学責任者(CSO)兼共同創業者であるIsaac Chan博士は、次のように述べた。「医師として、転移性乳がんが肝臓に広がった患者さんを診ると、特に懸念を抱きます。そうした患者さんは、私が最も心を寄せる人々の一部だからです。科学者として、私はこの転移がなぜこれほど治療困難なのかを理解し、根本的に異なる治療アプローチを探ることに長年取り組んできました。今回の提携は、研究室での発見を患者さんに届き得る治療法へとつなげる重要な一歩です。乳がんへの意識向上月間にこの提携を発表できることには、特別な意義があります。私たちは、認知向上にとどまらず、患者さんが期待する具体的な進展を目指しています。」
Genezenの会長兼最高経営責任者(CEO)であるSteve Favaloro氏は、次のように述べた。「Genezenは、有望な科学的成果を患者さんに実際に恩恵をもたらし得る治療法へとつなげるイノベーターを支援するために設立されました。今回の提携において、当社が培ってきたAAVの開発・製造経験を生かし、InterAct Therapeuticsとともにこのプログラムを推進し、がん治療に前向きな影響をもたらすことができるのを光栄に思います。このような協業は、卓越した科学を追求し、患者さんの切実なニーズに応え、課題解決を重視したパートナー支援を通じて次世代治療法の実用化を後押しするという、私たちの日々の取り組みを体現するものです。」
InterAct Therapeuticsによると、製造パートナーの評価にあたり、AAV分野の経験、業界での評価、信頼性、および重要な開発スケジュールを支援する能力を考慮し、Genezenを選定した。今回の提携は、商業化・承認済みAAV遺伝子治療薬の製造経験を含むGenezenのAAV開発・製造実績を基盤としている。IAT-S2が臨床開発段階に進むなか、両社は製造能力の拡大をさらに進める。
Genezenについて
Genezenは、12年以上の業界経験と先進的なウイルスベクター製造施設を有する遺伝子治療分野の開発・製造受託機関(CDMO)である。革新的な企業と連携し、初期コンセプトの開発から商業規模の製造までを支援することで、細胞・遺伝子治療の世界的な開発および製造を支えている。詳細はgenezen.comを参照。
InterAct Therapeuticsについて
InterAct Therapeuticsは、臓器特異的な微小環境を調節し、転移性疾患の生物学的特性に働きかけるファースト・イン・クラスの治療法の開発に取り組むバイオテクノロジー企業である。詳細はinteracttx.comを参照。
出典:Genezenのニュースリリース。本稿は同リリースの日本語訳・編集版である。前臨床試験の結果および治療薬候補の可能性は同社の発表に基づくものであり、今後の研究による検証が必要である。本稿は医療上の助言を目的とするものではない。
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PackGeneについて
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