AAVは異なる力価・容量で提供可能ですか?研究用途に適した選び方を解説

Jul 27 , 2026
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AAV(アデノ随伴ウイルス)は、安全性が高く、免疫原性が低いことに加え、長期間にわたる安定した遺伝子発現が可能であることから、遺伝子機能解析、疾患モデルの構築、さらには遺伝子治療研究において広く利用されているウイルスベクターです。

AAVを注文する際、多くの研究者が気になるのが、「異なる力価(Titer)や容量(Volume)を選択できるのか」という点です。

結論から言えば、可能です。 多くのAAV製造・受託サービスでは、研究目的に応じて異なる力価および容量を提供しており、実験内容や投与方法に合わせたカスタマイズが可能です。

AAVではどのような力価を選択できますか?

AAVの力価は通常、vg/mL(Vector Genome per Milliliter:ベクターゲノム数/mL)で表され、ウイルス濃度を示す重要な指標です。

研究用AAVでは、一般的に以下のような力価が提供されています。

力価(vg/mL) 主な用途
1×10¹² 細胞感染試験、予備実験
5×10¹² 一般的なin vitro実験
1×10¹³ 標準的な研究用途
5×10¹³ 高用量を必要とする動物実験
≥1×10¹⁴(プロジェクトにより対応可能) 特殊用途・カスタム製造

ただし、すべてのプロジェクトで同一の最高力価を達成できるわけではありません。最終的な力価は、以下のような要因によって左右されます。

1. AAVセロタイプ

AAV2、AAV8、AAV9、AAV-PHP.eBなど、セロタイプによってパッケージング効率が異なるため、得られる力価にも差が生じます。

2. 挿入遺伝子(Insert)のサイズ

AAVの推奨搭載容量は約4.7 kbです。挿入遺伝子がこの上限に近づく、あるいは超える場合には、パッケージング効率が低下し、最終力価にも影響を及ぼします。

3. 遺伝子の特性

細胞毒性を有する遺伝子は、ウイルス産生細胞の増殖や生存に影響を与え、AAV収量が低下することがあります。

4. 製造・精製プロセス

細胞の状態、トランスフェクション効率、精製方法、品質管理(QC)なども、最終的な力価を左右する重要な要素です。

そのため、AAV製造を依頼する際には、希望する力価について事前に製造担当者と相談することを推奨します。

AAVはどのような容量で提供できますか?

AAVは力価だけでなく、実験に合わせてさまざまな容量で提供可能です。

一般的な提供容量は以下のとおりです。

  • 20 μL
  • 50 μL
  • 100 μL
  • 200 μL
  • 500 μL
  • 1 mL
  • 5 mL
  • その他、ご要望に応じたカスタム容量

また、多くの受託製造サービスでは分注(Aliquot)にも対応しています。

例えば、

  • 10 × 100 μL
  • 5 × 200 μL
  • 20 × 50 μL

など、ご希望の本数・容量で分注することが可能です。

分注保存を行うことで、ウイルスの凍結融解回数を減らし、感染活性を維持しやすくなります。

実験目的に応じた力価の選び方

1. 細胞実験(in vitro)

細胞への感染実験では、一般的に1×10¹²~1×10¹³ vg/mLの力価で十分対応できます。

感染効率はMOI(Multiplicity of Infection)によって調整できるため、実験条件に応じて添加量を最適化することが重要です。

2. マウスを用いたin vivo実験

脳内投与、尾静脈投与、局所投与などでは、投与容量に制限があるため、1×10¹³ vg/mL以上の高力価AAVが推奨されます。

高力価であれば、少ない注射量でも十分なウイルス量を投与することができます。

3. 微量投与が必要な実験

脳、脊髄、網膜、硝子体などへの投与では、注射可能な容量が非常に限られています。

そのため、5×10¹³ vg/mL以上の高力価AAVを選択することで、限られた容量内で十分なウイルス粒子数を確保できます。

4. 大動物実験

サル、イヌ、ブタなどの大動物では、通常総投与量(Total vg)を基準として必要量を算出します。

必要な総ウイルス量に応じて、最適な容量や分注方法を選択するとよいでしょう。

なぜ分注保存が推奨されるのでしょうか?

AAVは比較的安定なウイルスですが、凍結融解を繰り返すと感染活性が徐々に低下する可能性があります。

そのため、以下のような保存方法が推奨されます。

  • 使用量ごとに分注して保存する
  • -80℃で長期保存する
  • 使用前は氷上でゆっくり融解する
  • 凍結融解の繰り返しや激しい攪拌を避ける

適切な分注管理を行うことで、ウイルス活性を維持し、実験結果の再現性向上にもつながります。

AAVを注文する際に確認しておきたい項目

AAVを注文する際には、以下の内容を事前に確認しておくことをおすすめします。

  • AAVセロタイプ
  • ウイルス力価(vg/mL)
  • 総ウイルス量(Total vg)
  • 分注仕様(Aliquot)
  • 保存バッファー組成
  • 必要な品質試験(QC)

    • 空カプシド率(Empty Capsid Ratio)
    • エンドトキシン試験
    • 無菌試験
    • 宿主由来DNA残留量
    • 宿主由来タンパク質残留量
    • ベクターゲノム完全性

十分な品質管理が実施されたAAVを使用することは、実験の成功率やデータの信頼性向上に直結します。

まとめ

AAVは、研究目的に応じてさまざまな力価(Titer)および容量(Volume)で提供することが可能です。一般的な研究用途では1×10¹²~1×10¹⁴ vg/mL程度の力価が選択され、容量も数十μLから数mLまで柔軟に対応できます。また、用途に応じた分注にも対応できるため、ウイルス活性を維持しながら効率的に使用することができます。

AAVを選択する際は、単に高力価を選ぶのではなく、実験目的、セロタイプ、挿入遺伝子のサイズ、投与方法、必要な総投与量を総合的に考慮することが重要です。適切な力価と容量を選択することで、実験の成功率を高めるとともに、貴重なサンプルを有効活用することができます。

PackGeneについて

PackGene Biotech is a world-leading CRO and CDMO, excelling in AAV vectors, mRNA, plasmid DNA, and lentiviral vector solutions. Our comprehensive offerings span from vector design and construction to AAV, lentivirus, and mRNA services. With a sharp focus on early-stage drug discovery, preclinical development, and cell and gene therapy trials, we deliver cost-effective, dependable, and scalable production solutions. Leveraging our groundbreaking π-alpha 293 AAV high-yield platform, we amplify AAV production by up to 10-fold, yielding up to 1e+17vg per batch to meet diverse commercial and clinical project needs. Moreover, our tailored mRNA and LNP products and services cater to every stage of drug and vaccine development, from research to GMP production, providing a seamless, end-to-end solution.

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